白刃の滝から浮かび上がる
不動たちが姫君を船室に案内して消えたのを気配で確認し、雲水は甲板に振り返った。
皆が一様に息を吐いて緊張を緩めている。
ほとんど女性と接点のない生活をしているので、美しい姫君たちを前に実際のところはガチガチになって理性も半分以上飛んでいたのだろう。
それにしてもやりすぎだ。
「集まれ」
雲水の一言で、船員たちは飛び上がった。
舳先を正面に列を作って並ぶ。
「ハッカイ、西蔵にミルクをもたせてやってくれ。これを入れてな」
丸々とした体型のハッカイが列から進み出て、雲水から小さな瓶を受け取る。
「何?」
「眠り薬だ。夜中にうろつかれても面倒だ」
ハッカイは立ち去ろうときびすを返したが、すぐに首だけ雲水を振り返った。
「あ、あの…俺たちの罰って?」
並んでいる者たちから「余計なこと言うなっ」という声が飛ぶが、雲水が睨みつけると黙った。
「船の上では彼女たちの安全を守ること。目的を達することが第一だ」
「な、なーんだ。それなら大丈夫だよ」
ハッカイが安堵の表情を浮かべる。
「船を下りたら?」
列から黛が聞いてきた。
両横に並んでいた芽力とサゴジョーから脇腹に肘を入れられ、黛は前のめりに体を折る。
「船の荷をサンゾーが用意してる。今回は人夫を使わない。お前たちが運べ」
「ええーっ」
「否はない。ご婦人を前にのぼせないようにしろ。これ以上のことがもしあれば・・・」
雲水は語尾を濁した。
言われなくても中身はわかる。
全員が慌てて左掌に右拳を合わせ、深々と頭を下げた。
船員をそれぞれの持ち場に戻らせ、雲水は自室に向かった。
小さな船に見えるが、中には部屋をいくつも持っている。
それでも全員に個室はなく、二人部屋を使っているのは雲水と阿含、山伏と一休だけだ。
扉を開けると、阿含がベッドに寝転びながらニヤニヤとこちらを見ていた。
「なんだ」
「派手な演出してたじゃねぇの」
すぐに姫君たちの前で全員が一斉に礼を取ったことだとわかる。
雲水は阿含を睨みつけた。
「あんなこけおどしは必要ないと言っていたんだがな。どこかの阿呆が怯えさせるから、規律のある船だと示さなくてはならなくなったじゃないか」
ベッドに腰かけ、阿含の髪を結び目で引っ張る。
始め一休やゴクウが海賊らしく威圧感を与えるためにやったらどうかと言ってきたが、雲水としては無駄だと思っていた。
暗闇の屋敷から意識を奪って海の上に連れ去られたというだけで、十分シーサーペントに恐怖を感じるはずだ。
それで大人しくしてくれれば十分だったのに。
雲水に頭を引かれ、阿含の顔が持ち上がった。
雲水がゆっくり顔を近づけるのに合わせ阿含は腰で伸び上がる。
唇を合わせただけで雲水はすぐに阿含の髪を離した。横に異動して距離をとる。
「お前もけっこー楽しんでんじゃねぇ?今度の仕事」
阿含は逃がさないとばかりに雲水の手首を摑まえる。
振りほどくことはせず、雲水は阿含に説教を続けた。
「ただの仕事だ。しかもお前がやると言い出したんだろう。無用な労力を使わせるな」
「ああ゛ー、あんな威勢のいい女どもだとはなぁ」
船の上で雲水に啖呵を切った姿を思い出したのか、阿含がクックッと笑う。
「怯えて泣いているくらいが楽だったかもしれん。とにかく、お前は近づくなよ。自刃でもされたら話にならん」
「わーってるよ。面倒くせぇ女はいらねぇって。俺には雲子ちゃんがいるしぃ」
掴んでいる雲水の手に顔を寄せて、阿含は人差し指を口に含んで舐め始めた。
雲水は解放されている方の手で阿含の後頭部を叩く。
阿含は離れない。上目遣いで雲水を覗き込んできただけだ。
目は完全に笑っている。
雲水はため息をついてから、ゆっくりと阿含の隣に横たわった。
「しかたがないな、お前は」
******
拍手をありがとうございます!
「阿雲のイチャイチャは?」と言われたので、慌てて挿入。
えっ、ソコまで書け?!じ、時間切れです・・・(笑)
雲水の指を舐める阿含ってエロくていいですね!!
皆が一様に息を吐いて緊張を緩めている。
ほとんど女性と接点のない生活をしているので、美しい姫君たちを前に実際のところはガチガチになって理性も半分以上飛んでいたのだろう。
それにしてもやりすぎだ。
「集まれ」
雲水の一言で、船員たちは飛び上がった。
舳先を正面に列を作って並ぶ。
「ハッカイ、西蔵にミルクをもたせてやってくれ。これを入れてな」
丸々とした体型のハッカイが列から進み出て、雲水から小さな瓶を受け取る。
「何?」
「眠り薬だ。夜中にうろつかれても面倒だ」
ハッカイは立ち去ろうときびすを返したが、すぐに首だけ雲水を振り返った。
「あ、あの…俺たちの罰って?」
並んでいる者たちから「余計なこと言うなっ」という声が飛ぶが、雲水が睨みつけると黙った。
「船の上では彼女たちの安全を守ること。目的を達することが第一だ」
「な、なーんだ。それなら大丈夫だよ」
ハッカイが安堵の表情を浮かべる。
「船を下りたら?」
列から黛が聞いてきた。
両横に並んでいた芽力とサゴジョーから脇腹に肘を入れられ、黛は前のめりに体を折る。
「船の荷をサンゾーが用意してる。今回は人夫を使わない。お前たちが運べ」
「ええーっ」
「否はない。ご婦人を前にのぼせないようにしろ。これ以上のことがもしあれば・・・」
雲水は語尾を濁した。
言われなくても中身はわかる。
全員が慌てて左掌に右拳を合わせ、深々と頭を下げた。
船員をそれぞれの持ち場に戻らせ、雲水は自室に向かった。
小さな船に見えるが、中には部屋をいくつも持っている。
それでも全員に個室はなく、二人部屋を使っているのは雲水と阿含、山伏と一休だけだ。
扉を開けると、阿含がベッドに寝転びながらニヤニヤとこちらを見ていた。
「なんだ」
「派手な演出してたじゃねぇの」
すぐに姫君たちの前で全員が一斉に礼を取ったことだとわかる。
雲水は阿含を睨みつけた。
「あんなこけおどしは必要ないと言っていたんだがな。どこかの阿呆が怯えさせるから、規律のある船だと示さなくてはならなくなったじゃないか」
ベッドに腰かけ、阿含の髪を結び目で引っ張る。
始め一休やゴクウが海賊らしく威圧感を与えるためにやったらどうかと言ってきたが、雲水としては無駄だと思っていた。
暗闇の屋敷から意識を奪って海の上に連れ去られたというだけで、十分シーサーペントに恐怖を感じるはずだ。
それで大人しくしてくれれば十分だったのに。
雲水に頭を引かれ、阿含の顔が持ち上がった。
雲水がゆっくり顔を近づけるのに合わせ阿含は腰で伸び上がる。
唇を合わせただけで雲水はすぐに阿含の髪を離した。横に異動して距離をとる。
「お前もけっこー楽しんでんじゃねぇ?今度の仕事」
阿含は逃がさないとばかりに雲水の手首を摑まえる。
振りほどくことはせず、雲水は阿含に説教を続けた。
「ただの仕事だ。しかもお前がやると言い出したんだろう。無用な労力を使わせるな」
「ああ゛ー、あんな威勢のいい女どもだとはなぁ」
船の上で雲水に啖呵を切った姿を思い出したのか、阿含がクックッと笑う。
「怯えて泣いているくらいが楽だったかもしれん。とにかく、お前は近づくなよ。自刃でもされたら話にならん」
「わーってるよ。面倒くせぇ女はいらねぇって。俺には雲子ちゃんがいるしぃ」
掴んでいる雲水の手に顔を寄せて、阿含は人差し指を口に含んで舐め始めた。
雲水は解放されている方の手で阿含の後頭部を叩く。
阿含は離れない。上目遣いで雲水を覗き込んできただけだ。
目は完全に笑っている。
雲水はため息をついてから、ゆっくりと阿含の隣に横たわった。
「しかたがないな、お前は」
******
拍手をありがとうございます!
「阿雲のイチャイチャは?」と言われたので、慌てて挿入。
えっ、ソコまで書け?!じ、時間切れです・・・(笑)
雲水の指を舐める阿含ってエロくていいですね!!
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