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白刃の滝から浮かび上がる
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コンコンとオークの扉に取り付けられた金具が控えめなノックの音を伝える。
「なんだい?」
メグが返事を返すと、静かに扉が開かれた。
黒い軍服を着て金髪を逆立てた目つきの悪い男と、茶色い髪を肩で切りそろえ真っ赤なドレスに身を包んだ女性が現れた。
「ヒルマ」
「よぉ。糞トカゲ」
金髪の男はルイの知り合いのようだが、仮にも王族に対してずいぶんな口のききようだ。
ルイが気にしていないようだから、メグがとやかく言う気はないが。
「初めまして、露峰メグ様。私はフレーダー公国皇女まもりと申します」
メグの目の前にやってきた女性がドレスの裾を摘み上げて優雅に頭を下げた。
ドレスに合わせてティアラもネックレスもピジョンブラッドのルビーでそろえている。
きつい色合いだが彼女が身につけると清楚に見えるから不思議だ。
「どうも」
メグも格好だけはきちんと頭を下げたが、言葉は普段通りで愛想を忘れていた。
「あんた、「様」はいらないよ。こっちもつけないからさ」
まもりは顔を上げて、うれしそうに笑った。
王族あるまじき言葉遣いは気にならないタイプのようだ。
「ありがとう。そうさせてもらうね、メグ」
「ああ、よろしく、まもり」
握手を交わして、手袋をつけていないまもりの手の平が皇女らしくない固いものであることに気がつく。
ルイの手に似ている。
彼女は険を嗜むのだろうか。
メグの周りの王族よりは気が合いそうだ。
「おい、俺らは打ち合わせしてくるからよ。ちゃんとパーティー出ろよ」
ヒルマと話をしていたルイが、メグたちを振り返る。
「あんたこそ、役目忘れんじゃないよ」
ケッと短く返事をして、ヒルマを伴いルイは部屋を出て行った。
ヒルマは去り際にまもりと視線を交わして行く。
「ルイ王子とメグは婚約してるの?」
ルイの背中を見送っていると、まもりが横からのぞき込んできた。
慣れた質問にメグは肩を竦める。
「…まあ、親はそのつもりみたいだけどね。あたしらは兄妹みたいなもんさ。あんたこそ、あの提督とできてんのかい?」
まもりはその質問が意外だったのか、両手を胸の前で小刻みに振って否定した。
「ううん、そんなんじゃないって。今回は親善で来たわけじゃないだ、私」
「どういう意味だい?」
「メグの護衛なの。狙われてるんでしょ、海賊に」
「護衛?あんたが?王族だろ、あんただって」
「いちおう騎士なんだよ、私」
この細い体に気品ある仕草のまもりが騎士資格まで持っているとは驚いた。
「でも騎士だからって、そんな危ないだろ」
「メグの側にいやすいから、ヒルマくんに頼まれたの。今回の海賊に相当警戒しているみたい」
最前線で戦うわけではない、と言われてメグも少し力を抜く。
「海賊のこと、メグは何か知ってる?」
まもりの問いかけにメグは頷いた。
「『シーサーペント』だろ?根こそぎ荷を奪った上に人夫たちも奴隷にして売り飛ばすらしい。連中が国の海域で暴れ出してから、一気に取引も減ってこの国は貧乏一直線さ」
「シーサーペント…海の怪物ね」
「あたしを誘拐するってのはただの脅しだよ。あいつらは海から上がってきたことがないんだ」
「ヒルマくんたちが、きれいにしてくれるよ。それまで少し窮屈かもしれないけれど」
「あんたもわざわざ悪かったね。とりあえず今夜はぱーっと飲もうじゃないか」
「…パーティーの間は無理じゃない?その後で、どうかな?」
いたずらを思いついたように笑うまもりに、メグも笑い返した。
本当に話がわかる。



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拍手、URL請求ありがとうございます!

まもりとメグは気が合うと思うんですよね~さっぱり系で。
でも他人の面倒はよく見るし放っておけないから、鈴音や若菜ちゃんや渋谷ちゃんとかとも仲良くしてくれそう。
女の子が仲良くきゃっきゃっしているのはいいですね~。
 



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陸奥村様

いらっしゃいませ~。気の向くままに更新しますので、また覗いてやってください(^^)

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