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白刃の滝から浮かび上がる
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「弥勒」
「なんだ、ゴクウ」
「阿含、寮にいると思うか?」
俺はゴクウの問いかけに考えるフリをした。
阿含はまだ『ナニか』してもらうのをあきらめてはいないんじゃないか、なんて考えるまでもない。
「いるだろ」
「やっぱりなー。賭にならねぇか」

そんな会話をしながら電車を乗り継ぎ、バスに乗り換え、神龍寺の階段を上りきって帰ってくると、寮の食堂で阿含が飲んだくれていた。
健全にもゼロコーラを。

「阿含、帰ってくるなら一緒に行動すれば良かったじゃないか」
雲水が一番最初に食堂に入った。
他の連中は入り口に溜まるだけで動けない。
阿含はペットボトルにフタをして、雲水に笑いかけた。
ニヤ~という効果音がぴったりの、イヤらしい笑顔だ。
雲水にも阿含の不穏な空気は伝わって、ぴたりと足が止まる。
「なんだ」
「考えてたのよ」
「なにを」
「雲水ちゃんに、なーにをしてもらおうかってサ」
気持ち悪い阿含の話し方に、語りかけられている雲水だけでなく俺たちまで寒気が走る。
そろそろ1年生は避難させるべきか。
「で、オーレ、きめちゃった」
ハートマークでも語尾についているじゃないか、という浮かれ口調に、雲水をしたからのぞき込んで上目遣いの念の入れよう。

俺が右手を振ったのを合図に、サンゾーと芽力が1年生をそれぞれの部屋へ誘導し始める。
ナニが起こるかわからない。
ここから先の責任は2年生だけで取る。

「ちょっと待て」
雲水がおもむろに右手で阿含の顔を押し戻した。
「んだよ」
「裸踊りはなしだ」
「あ゛あ゛?!」

ハ・ダ・カ・踊り???!!!
俺たちも一斉に顔を見合わせる。


「お前はなにかというと俺に裸踊りをさせようとするが、こんなところでそれはゴメンだ」
「てめぇ、俺の命令に逆らうってのかよっ」
「試合に出ていないんだ。俺にも範囲を限定する権利がある」
阿含がムッと口を閉じる。
「たまには他のことはないのか」
引き結んだ口を微妙に波打たせながら、阿含の視線が雲水をきつく睨んだ。

「バーカっ!てめぇにできることなんざ、ねぇよっっ」


言うが早いか、阿含は椅子から飛ぶように立ち上がり、俺たちが群がる入り口へ駆けだしてきた。
慌てて道を空けると、風のように走り去っていく。
さすがのスピードだ。


「まったく、俺が嫌がるとわかっていて裸踊りばかりさせようとするんだからな。いじわるだよなぁ、アイツ」

俺たちの所まで来て阿含を見送った雲水がつぶやいた。

兄貴に裸踊りをさせて喜んでる、って皆にバレたな、阿含。
同情するぞ。



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みつ豆様


同情してやってください!
阿含が雲水を好きすぎるせいなんですけどね・・・(爆笑)
みんなからいつの間にか応援の目で見られている阿含ってかわいいなぁと。
わかっていただけて嬉しい!

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