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白刃の滝から浮かび上がる
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練習試合が終わった。
俺はヘルメットのおかげでずれた緊箍児(いや、これただのヘアバンなんだけど)を直す。
今日は途中から阿含がやってきたが、出番がないまま終わってしまった。
来てすぐに監督の横で寝転がっていたから、出る気はなかっただろうけど。
「楽勝だったな」
なんてサゴジョーたちと笑い合っていると、阿含がのっそり起き上がった。
雲水が阿含のそばに立ったからだ。
「寝ていないで、さっさと帰れ」
「あ゛あ゛?てめぇが来いっていうから来てやったんだろうが」
「それは感心だな」
ああ、この間部室で喧嘩してたもんな。や、あれは喧嘩じゃないか。
一方的に雲水が怒鳴って、阿含が逃げ出しただけ・・・。
「来たからには、払ってくれるんだろうな?」
「なに?」
「何でも言うこと聞くって言っただろうがっ」
ええーあんな雲水のセリフ真に受けて来ちゃったのかよ、阿含。
てか、あんなことでいいんだ、やっぱり・・・。
「試合にも出ないやつがなにを言っている」
「てめぇが言ったのは「試合に来い」だったろうが。出ろ、なんて言ってねぇだろ」
阿含の言葉を聞いて雲水は少し考えたようだ。
「確かに俺はそういったな。仕方がない。で、何をしてほしいんだ」

えええええええぇぇぇぇええええええええええぇぇえええええええぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!!
ここで???!!!!!!!!!!!!

俺は一歩、二歩と後ずさった。
他のヤツラも少しずつ距離をとっていく。
あくまで、自然に、自然に。

阿含はしばらく雲水の顔を見ながら黙っていた。
それからだんだんと顔が険しくなって、ついでにだんだん赤くなって。

「バーカっ、てめぇにしてほしいことなんざねぇよっっっ」

と捨て台詞を残して去っていった。

ホッと息を吐く俺たち。
阿含のしてほしかったことがナニかは考えないようにして、それでもまあとにかく、こんな公共の場所でナニもなくてよかった。
阿含の後姿を見送ってから、ようやく雲水が口を開いた。
「しろとかするなとか・・・気まぐれなやつだ。なぁ?」
俺に言うなよ。
「まあな」
それ以上いえることがなかったので、とりあえず返事だけしてやる。

阿含、気の毒に。









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