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白刃の滝から浮かび上がる
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彼岸が近づいて、神龍寺には檀家からたくさんの花やらお供えやらが届けられている。
1年生は授業の一部を使って、供物の仕分け作業をさせられていた。
青いリンドウ、白いキク、赤いホオズキ。
「こんだけあれば花屋ができるなぁ」
ゴクウがキクを振り回しながら周りを見回した。
「乱暴に扱うな」
すかさず雲水にたしなめられる。
「わり、わり」
キクを戻したゴクウは、束ねるために横に並べてあったホオズキを手に取った。
「これって花かぁ?」
「実だろ」
弥勒が手元から視線を上げずに答える。
「笛作ったことないんすか」
「フエ?」
一休はホオズキの実を一つもぎ取った。
「おい」
「いや、これちょっと汚くなってますから、ね」
雲水に見咎められて、ほんの少し黒くなったところを見せる。
立場上注意をした、という風情の雲水は、肩をすくめただけでそれ以上は言わなかった。
一休は外側を覆う赤い皮をむき、紅玉と呼ぶのがふさわしい実を取り出す。
「へぇ、中身があるんだ」
ゴクウは感心しきりだ。本当に知らないらしい。
「この芯をとって、中身を取り出すと笛になるんすよ。ね、雲水さん」
一休はそう言ったが、実は自分では笛にできたことがない。
こういう繊細な作業にはむいていないのだ。
「まあ、そうだな」
てっきり一休は、雲水が差し出した実を受け取って笛を作り出してくれると思ったのだが、雲水は動いてくれなかった。
「俺はそういう作業は苦手だ。潰すのがオチだな」
「あ、俺もっす。けっこう難しいっすよね」
雲水も苦手、とわかると、できないことがかえってうれしくなる。
オソロイ、というやつだ。
「阿含は得意だがな」
続いた雲水の一言で、なんとなく場が凍った。
「へぇ、あいつがそんな細かいことやるのか」
場を取りなしたのは、いち早く立ち直った弥勒だ。
「あいつは何をやらせても上手い」
雲水はそう言って作業に戻った。
無駄口はこれまで、というあっさりした態度だ。
他の連中も作業に戻る。
一休は手に持っていた朱色の玉を、葉くずを入れている籠に放り込んだ。

なにをやっても雲水は阿含に結びつける。
またそれを思い知った。





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すみません、また放置・・・。
拍手、コメントをありがとうございます!!
SSを書いていないと、浮上しにくく(言い訳・汗)

ひたすら片想いな一休に思いをはせる夏でした。
継続中です。

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